ごあいさつ
~ 海外からの高校留学生の受入れについて ~
日本国政府の政策としての「留学生30 万人計画」
日本政府は、「日本をより開かれた国とし、アジア、世界との間のヒト、モノ、カネ、情報の流れを拡大する「グローバル戦略」を展開する一環として、
2020 年を目途に留学生受入れ30 万人を目指す。」と、『留学生30 万人計画』(文部科学省・外務省・法務省・厚生労働省・経済産業省・国土交通省)に謳っています。
そしてそのための具体的な方策として、「入学、入国の入り口の改善」や、「受入れ環境づくり」などを進める、としています。
この政策の背景にあるのは、「少子高齢化の中で、日本の発展に寄与してくれる優秀な海外の人材を獲得したい」という思いや、
「海外からの留学生が我が国で働いたり、消費したりすることが経済のプラスに働く」また、「受入れの努力を通じて国の外部に日本ファンを増やす」など、
様々なプラス面が期待されているようです。
留学生受入れが身近にもたらす効果
私自身、元留学生として18 歳から23 歳までをアメリカで暮らしました。日本の公立高校卒業後、
アメリカ東海岸ノースキャロライナ州の小さな大学に入学したのですが、英語での授業に大変苦労し、
1学期目が終了した時点で退学の警告を受けてしまいました。
次の学期にギリギリの成績で退学を免れた私は、その後転校を重ねて5年後にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の
経済学部を卒業することができましたが、5年間の留学生活は快適とは程遠い険しい道程でした。
しかし、この5年間の留学生活は、私にかけがえのない多くの学びの機会を与えてくれました。
その経験から私は、「留学と言う選択肢を日本から無くしてはいけない。」と考えています。
しかし卒業を目指して渡航する学位取得留学には費用も時間もかかり、
また険しい道程をゴールである卒業まで数年かけて歩き通すことができるかどうか、というリスクも伴います。
「異文化の存在に触れる」ことは多くの人にとって様々な発見の機会になると思います。自分と異なった物の考え方や価値観が存在する。
人は違っていて当たり前、でも、人は違っていても友達になることができる。私はこれを多くの人たちに体験して欲しいと思っています。
また、これらの体験を通して、自分なりの異文化とのつきあい方を身につけることは、企業等から求める人材のトップとして挙げられている
「コミュニケーション能力の高い人材」に近づくための有効な道程だと思います。
「海外からの留学生の受入れ」を、こういった観点から有意義な機会だと考えていただければ大変嬉しく思います。
受け入れてくださる学校はもとより、ホームステイのご家族、そして地域の皆様には、様々なご苦労をおかけすることになるものと思いますが、
どうぞこの機会を前向きにご活用いただき、来日する留学生と一緒に素晴らしい思い出に富む時間としてください。
滞在をより良いものにするためにお役に立てることがあれば、当協会の担当者に何なりとご連絡ください。
日本に興味を持っている異文化の若者が、大きな期待と不安をスーツケースに詰め込んでやって参ります。
どうぞ受入れについてのご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
素晴らしいことが、たくさんありますように・・・!!
特定非営利活動法人青少年異文化交流推進協会
理事長 吉川浩司
1984 年カリフォルニア大学ロサンゼルス校経済学部卒
FIFA 国際サッカー連盟オセアニア大陸日本代理人
2002 年ワールドカップ日本招致委員会国際部員・元総理大臣の特別随行員として
世界を訪問、本大会にて皇室・王室等国内外のVIP プロトコール担当
2010 APEC ジュニア会議 統括ファシリテーター
福山平成大学・広島経済大学 非常勤講師